ロタウイルス

ロタウイルスは、冬期に発生するウイルス性下痢症の中でも重要な病原体で、5歳までにほとんどの小児が罹患します。

ロタウイルス

ロタウイルスはレオウイルス科に属し、直径約70nmのエンベロープを持たない11本の分節からなる二本鎖RNAウイルスであり、6つの構造蛋白(VP1〜4,6,7)と6つの非構造蛋白(NSP1〜6)をコードしています。ロタウイルスの名称は電子顕微鏡での観察において外観が車輪のような形態をしていることから、ラテン語で車輪を意味するrota(ロタ)に由来しています。
ロタウイルスはヒト以外にも、ウシ・ブタ・サル・ウマ・イヌ・ネコ・ネズミなどの哺乳類や鳥類に広く感染します。
ロタウイルスはA〜G群に分かれ、ヒトに感染するのはA〜Cの3群で、A群が大部分を占める為ヒトロタウイルスといえばA群のことをさします。

ロタウイルスは、冬期に発生するウイルス性下痢症の中でも重要な病原体で、5歳までにほとんどの小児が罹患します。
1〜2日の潜伏期後に急激に発症し、腹痛、嘔吐、発熱などに続いて下痢を起こし症状は数日間続きます。
下痢便は通常、水様〜粘液性で白色のものが多く血便や消化不良を示す緑色便がみられる場合もあります。下痢は3〜4日続きウイルスの便中への排泄はその後数日続きます。

予後は良好であり致命的になることはまれですが、約40人に1人の割合で重症化し、5歳未満の急性胃腸炎による入院の半数程度がロタウイルスによるものとされています。栄養状態が悪い場合や虚弱な乳幼児、他の感染症を併発した場合などは脱水などで重篤になる場合があります。

ロタウイルスによる胃腸炎の予防として、2009年にはWHO(世界保健機構)がロタウイルスワクチン定期接種を勧奨し、日本でも2011年にロタリックス、2012年にロタテックも認可されました。

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