下痢とギランバレー症候群の関連

ウイルス感染や細菌感染などがきっかけとなって、本来は外敵から自分を守るためにある免疫のシステムが異常になり、自己の末梢神経を障害してしまう自己免疫であると考えられています

下痢とギランバレー症候群の関連

ギラン・バレー症候群(Guillain-Barré syndrome:GBS)は、急性・多発性の根神経炎の一つで、主に筋肉を動かす運動神経が障害され、四肢に力が入らなくなる病気です。重症の場合、中枢神経障害性の呼吸不全を来し、この場合には一時的に気管切開や人工呼吸器を要しますが、予後はそれほど悪くありません。
病気の原因ははっきりしていませんが、ウイルス感染や細菌感染などがきっかけとなって、本来は外敵から自分を守るためにある免疫のシステムが異常になり、自己の末梢神経を障害してしまう自己免疫であると考えられています。約60%の患者さんの血液中に、末梢神経の構成成分である糖脂質(特にガングリオシド)に対する抗体がみられます。
ギラン・バレー症候群の2/3は、発症の1〜3週間前に風邪をひいたり下痢をしたりといった感染症の症状があります。感染の主な病原体はカンピロバクター、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バールウイルス(EBウイルス)です。下痢症状があった場合、カンピロバクター感染の頻度が高く、主に軸索障害型のギラン・バレー症候群の原因となることが知られています。

典型的な症状としては、感染症状(咳・腹痛・下痢など)の数日から数週間後に手足の力が急に入らなくなってきます。通常、下肢から始まり徐々に上肢に広がっていきます。その他にも顔面の筋肉に力が入らない(顔面神経麻痺)、目を動かせなくなって物が二重に見える(外眼筋麻痺)、食事がうまく飲み込めない、ろれつが回らない(球麻痺)などの症状が出る方もいます。症状の程度は人それぞれで、麻痺が軽い方からほとんど手足が動かせなくなる方まで様々です。手足にしびれや痛みが出たりすることはありますが、一般に感覚障害は運動麻痺に比べて軽度です。自律神経が障害されると不整脈、起立性低血圧などがみられます。重症例では呼吸をするための筋肉が麻痺して、人工呼吸器の装着が必要になることもあります。

症状は良くなったり悪くなったりはせず、ピークを過ぎれば改善します。症状の進行は急速で、通常4週間前後でピークに達し、以後回復傾向になり6〜12ヶ月前後で症状が落ち着いて安定した状態になります。しかし、重症例では回復までに長期間を要し、何らかの障害を残す方が約2割いて、約5%に死亡例があります。 手足の力は入るのに目が動かなくなる(外眼筋麻痺)、ふらついて歩けなくなる(運動失調)といった症状が出る特殊なタイプもあり、フィッシャー症候群と呼ばれてます。

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