下痢(げり)便秘(べんぴ)おなかSOSドットコム
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2022-06-19T10:37:58Z
誰でも一度は経験のある症状、下痢(げり)と便秘(べんぴ)の原因・メカニズム・対処法・関連疾患について説明しています。
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下痢と便秘のメカニズム
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2022-06-19T10:29:21Z
2022-06-19T10:37:58Z
下痢とは水分を多く含む形のない糞便を排出する状態で、24時間の糞便重量が200g以上、または糞便中の水分量が200mL以上と定義されます
下痢とは水分を多く含む形のない糞便を排出する状態で、24時間の糞便重量が200g以上、または糞便中の水分量が200mL以上と定義されます。
また、便秘は糞便の腸内滞留時間が延長し、水分量が少なくなることにより、糞便が硬くなって肺便に困難を伴う状態で、本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態と定義されます。
・腸管の吸収不全による下痢:腸管で吸収されなかった物質が高濃度で腸管に滞留することにより、腸管内の浸透圧が高まり、これを希釈するために多量の体液が腸管内に移行することが原因で起こる下痢です。
吸収不全の原因として
1)消化酵素の欠乏により栄養素を消化吸収できない(乳糖不耐症、胆・膵臓疾患などによる脂質の消化吸収障害)
2)吸収されない物質の過剰摂取(ソルビトール、ラクロース、マンニトールなど)
3)腸管吸収能以上の摂取
・腸内環境の異常
腸内有害腐敗菌の増殖→感染症→下痢
↓ ↑
善玉菌減少 腸内pH上昇
↓ ↑
有機酸・短鎖脂肪酸産生低下→大腸での水分・ミネラル吸収障害→下痢
↓
腸管蠕動運動低下→便秘
・善玉菌を増やす方法
1)プロバイオティクス
腸内細菌のバランスを改善することにより宿主に有益に働く生菌添加物。最近では生菌のみならず死菌体も含めて考えられています。(ビフィズス菌、乳酸桿菌など)
2)プレバイオティクス
大腸内の有用菌の増殖促進あるいは有害な細菌の増殖抑制により、宿主に有益な効果をもたらす難消化性食品成分(食物繊維、オリゴ糖)
少し変わった食中毒
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2022-04-24T06:48:14Z
2022-04-24T06:50:06Z
食事由来の感染で、比較的鑑別診断に挙がらない病原微生物由来食中毒があります。治療可能にもかかわらず診断が著しく遅れると患者に後遺症、死亡を招く可能性のある疾患です。
食事由来の感染で、比較的鑑別診断に挙がらない病原微生物由来食中毒があります。治療可能にもかかわらず診断が著しく遅れると患者に後遺症、死亡を招く可能性のある疾患です。
1)ブルセラ症
ヒツジ、ウシ、イヌ、ブタなど様々な動物を宿主とするブルセラ属菌による感染症です。一般的なのはB.melitensis(ヒツジ)によるもので汚染されたミルクや乳製品によるものですが、日本国内における報告例は近年ありません。中東や中央アジアなどでヤギやヒツジの乳製品を摂取した病歴が疑うきっかけとなります。比較的足の遅い細菌感染症でもあり、骨髄炎(仙腸関節炎)が特徴的です。
2)施毛虫(Trichinella属)
日本国内の感染ではクマ食の病歴につきます。症状としては、全身の筋肉痛で発症することからリウマチ性多発筋痛症に似た疾患の代表として挙げられます。末梢血液検査で好酸球上昇とそれに伴う症状があれば、加熱が不十分なクマ肉を食べていないか確認が必要です。クマ以外にもウシ、ブタの筋肉内にも寄生の可能性がありますが、国内発症報告はありません。
3)肝蛭(fasciolosis)
主に肝臓に寄生するFasciola hepaticaによる蠕虫感染症です。主に終宿主であるウシの排泄物に汚染された水系の野菜を生で食べることで感染します。末梢血液検査で好酸球上昇や画像診断で肝腫瘤を認めることで診断に至ることが一般的です。
4)肺吸虫(paragonimiasis)
文字通り肺に感染するParagonimiasis westermaniまたはP.miyazakiiによる感染症です。主な標的臓器は肺であり、画像診断で肺の結節性病変を、抹消血液検査で好酸球の上昇を認めて疑われることが多い。第二中間宿主の淡水ガニやその料理場でのコンタミネーションによる感染が一般的です。また、施毛虫と同様に、イノシシ肉やシカ肉を生で食べることで感染します。
5)A型肝炎
汚染された海産物での感染が一般的です。急性肝炎の鑑別で挙がり、血清抗体検査で診断されることが多いのですが、国内発生例では原因食が不明なことが大半です。
6)E型肝炎
もともと食中毒の原因ウイルスという認識はなかったのですが、わが国においてシカの刺身で家族発生があったことで、食中毒の原因微生物として世界で初めて報告されました。
主な病原微生物性食中毒の症状と鑑別 2
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2022-01-16T16:29:13Z
2022-01-16T16:34:14Z
低温で増殖するリステリア属、エルシニア属と並んで、真空パック内で増殖可能なので食品衛生の観点から重要な微生物です。
前半にもどる
・麻痺(摂食から18〜36時間)
ボツリヌス菌
低温で増殖するリステリア属、エルシニア属と並んで、真空パック内で増殖可能なので食品衛生の観点から重要な微生物です。左右非対称性の脳神経麻痺で始まり、対称性の弛緩性麻痺がおこり、呼吸筋麻痺を合併します。症状としては、吐き気50%、下痢20%程度です。合併する原因毒素はA・B・E・Fであり、非可逆性にアセチルコリン遊離を神経筋接合部でブロックすることで発症します。これらの部位の再生には数週間〜数ヶ月かかるため、重症の場合は長期の人工呼吸管理が必要となります。腸内細菌叢が完成していない新生児がはちみつを食べるのがリスクとされるのは、少量の芽胞が含まれている可能性があるためです。汚染された真空パック食材や缶詰、自家製発酵食品などもリスクとなります。
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・長続きする下痢(1〜3週間)
長続きする下痢症の鑑別では感染症以外にも炎症性腸疾患の初期、腫瘍による下痢(一部の膵臓癌など)、内分泌系の異常(甲状腺機能亢進症など)薬剤性(クロストリジウム・ディフィシル腸炎や様々な薬剤による膠原繊維性大腸炎)なども考慮します。感染症であれば原虫性の下痢を疑います。
1)ジアルジア症
よく処理をされていない動物の有機農法の肥料で作られた生野菜や生水の飲用がカギとなります。海外渡航歴も考慮します。
2)赤痢アメーバ
原虫性の下痢症ですが、大腸粘膜に炎症を起こすことも多くあります。血便交じりの下痢が続いて炎症性腸疾患、特に潰瘍性大腸炎と誤診されてしまうこともあります。また腸管以外の病変として肝膿瘍をきたすこと特徴です。
3)Cyclospora cayetanensis
主にネパールや南米などでの汚染された食材の摂取で起こります。慢性の下痢、吐き気などが特徴ですが、免疫正常者では多くは軽快します。
4)Cryptosporidium parvum
7〜10日の潜伏期があり、無症状のことが多い。細胞性免疫不全患者(同種幹細胞移植患者、HIV感染患者など)で長期の下痢症状をきたす場合に鑑別に加えます。
・全身症状や腸管外症状が主となるその他の食中毒
消化管症状より他の症状が前面にでる食中毒は、病歴がカギとなります。しかし、病歴よりも患者の特性、特に細胞性免疫不全(ステロイドの長期使用、HIV感染者、妊婦など)がカギとなることもあります。
1)リステリア症
食中毒としては、下痢症よりも菌血症をきたした時が問題となります。発熱のみや無症状のことも多く、病歴の特徴として妊婦やステロイド使用者、高齢者が菌血症のリスクとなります。発熱のみや無症状であることも多いのですが、流産の原因になります。潜伏期は3〜70日程度と幅があります。摂食歴のカギとしては輸入乳製品などの汚染、国内でもさまざまな魚製品(ネギトロ、辛子明太子など)の汚染が知られています。
2)V.vulnificus
肝硬変、特にアルコール性肝硬変患者などが、生の海産物を食べて起こります。敗血症と壊死性軟部組織感染症が特徴的です。
3)Salmonella typyiを含むSalmonella属(腸チフス・パラチフス)
発熱のみや下痢を伴わない場合もあります。特にS.typhi、S.paratyphiは菌血症のみでの発症が特徴的であり、下痢を伴うことはまれです。摂食歴ははっきりとせず、発展途上国での食事などが原因になりえます。
4)トキソプラズマ症
ネコから感染することもありますが、生ハムなどからも感染します。免疫グロブリンM(IgM)抗体が数年間陽性になる原虫疾患でもあります。妊婦の初感染で先天性トキソプラズマ症になるリスクがあることが問題となりますが、それ以外では無症状の感染が大半です。進行してCD4が100未満程度まで低下したHIV感染症などで中枢性病変をきたすこともあります。
主な病原微生物性食中毒の症状と鑑別 1
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2022-01-16T16:23:12Z
2022-01-16T16:35:23Z
食中毒の症状から原因食材や病原微生物を特定できる可能性があります。
食中毒の症状から原因食材や病原微生物を特定できる可能性があります。
・嘔吐と吐き気(摂食から1〜8時間)
1)黄色ブドウ球菌の毒素性食中毒
原因食材として、素手で握ったおにぎりがあります
2)Bacllus cereus(セレウス菌)の毒素
嘔吐毒素型タイプの潜伏期は0.5〜6時間程度とされます。下痢毒素型と同様に、国内外ともチャーハンが有名です。わが国では野外の餅つきなどの集団発生例もあります。食材が汚染され、セレウス菌が発芽・増殖する常温での保存が原因となります。
・腹痛と下痢(8〜16時間)
1)ウェルシュ菌
主症状は水様性の下痢症と腹痛です。加熱食材で増殖したあとにゆっくり冷やす段階で偏性嫌気性菌であるウェルシュ菌が増殖し、これを摂取すると腸管内でエンテロトキシンを産生して発症します。作り置きのシチューやカレーの常温保存などが原因となります。
2)Bacllus cereus(セレウス菌)の下痢毒素型
摂取歴は嘔吐毒素型と同様で下痢症状がメインとなります。症状は毒素型でもあり、発熱を伴わない水様性下痢症が特徴です。
後半へ続く
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食中毒の主な症状とよくある誤解
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2022-01-09T16:06:22Z
2022-01-09T16:08:07Z
病原性微生物による食中毒の主な症状には以下のものがあります。
病原性微生物による食中毒の主な症状には以下のものがあります。
発熱:基本的に病原性微生物または自己の組織に対する免疫反応によって起こります。したがって毒素型の食中毒(体外で産生する場合も体内で産生する場合いずれでも)では発熱は認められません。一方、潰瘍性大腸炎などの初期では発熱と下痢という食中毒に似た症状がみられます。
水様性下痢症:便中の水分は上位空腸から回腸で大半が吸収されます。そのため、これらの部位を標的とする病原性微生物関連の食中毒ではこのような下痢症状になります。
血便:通常は粘膜の炎症により腸管粘膜が破綻することで出血します。非常に重要な例外としては腸管出血性大腸菌の出血毒によるものが挙げられます。
食中毒についての誤解は病原微生物性、非病原微生物性を問わず多くあります。病歴情報から除外してしまわないように代表的な誤解を示します。
1)食べた人はみんな発症する
病原微生物性のものであっても個人によってバラつきがあります。一緒に食べた人が大丈夫だったから食中毒ではないとするのは危険です。
2)嘔吐・下痢でなければ食中毒ではない
病原微生物食中毒であっても腸チフスは発熱のみの菌血症が大半です。ボツリヌス毒素によるものは中枢神経系麻痺が前面にでます。
3)加熱すれば大丈夫
毒素を産生した後で、かつ耐熱性毒素であれば食中毒を起こします。また、芽胞状態をとる細菌は芽胞状態で耐熱性です。
4)冷蔵庫に保管しておけば大丈夫
Listeria monocytogenes(リステリア・モノサイトゲネス)は低温増殖性食中毒菌で冷蔵庫の低温で増殖します。
下痢とギランバレー症候群の関連
tag:www.onaka-sos.com,2018://1.96
2018-10-14T15:52:20Z
2018-10-14T16:04:04Z
ウイルス感染や細菌感染などがきっかけとなって、本来は外敵から自分を守るためにある免疫のシステムが異常になり、自己の末梢神経を障害してしまう自己免疫であると考えられています
カンピロバクター、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バールウイルス(EBウイルス)です。下痢症状があった場合、カンピロバクター感染の頻度が高く、主に軸索障害型のギラン・バレー症候群の原因となることが知られています。]]>
典型的な症状としては、感染症状(咳・腹痛・下痢など)の数日から数週間後に手足の力が急に入らなくなってきます。通常、下肢から始まり徐々に上肢に広がっていきます。その他にも顔面の筋肉に力が入らない(顔面神経麻痺)、目を動かせなくなって物が二重に見える(外眼筋麻痺)、食事がうまく飲み込めない、ろれつが回らない(球麻痺)などの症状が出る方もいます。症状の程度は人それぞれで、麻痺が軽い方からほとんど手足が動かせなくなる方まで様々です。手足にしびれや痛みが出たりすることはありますが、一般に感覚障害は運動麻痺に比べて軽度です。自律神経が障害されると不整脈、起立性低血圧などがみられます。重症例では呼吸をするための筋肉が麻痺して、人工呼吸器の装着が必要になることもあります。
症状は良くなったり悪くなったりはせず、ピークを過ぎれば改善します。症状の進行は急速で、通常4週間前後でピークに達し、以後回復傾向になり6〜12ヶ月前後で症状が落ち着いて安定した状態になります。しかし、重症例では回復までに長期間を要し、何らかの障害を残す方が約2割いて、約5%に死亡例があります。 手足の力は入るのに目が動かなくなる(外眼筋麻痺)、ふらついて歩けなくなる(運動失調)といった症状が出る特殊なタイプもあり、フィッシャー症候群と呼ばれてます。
糞便移植療法 FMT
tag:www.onaka-sos.com,2017://1.95
2017-10-14T15:50:15Z
2017-10-14T15:53:58Z
糞便移植療法(fecal microbiota transplantation:FMT)は、健常者の便を患者の腸内に投与することで患者の腸内フローラを正常化させることを目的とした治療法です。
糞便移植療法(fecal microbiota transplantation:FMT)は、健常者の便を患者の腸内に投与することで患者の腸内フローラを正常化させることを目的とした治療法です。
クロストリジウム・ディフィシル感染症(Clostridium difficile infection:CDI)は抗生剤の投与などにより正常な腸内フローラが攪乱されて多様性が低下し、菌交代症が生じることで発生すると考えられている疾患です。下痢、発熱などを主症状とし、多くは原因となる抗生剤の中止やメトロニダゾール、バンコマイシンといったクロストリジウム・ディフィシルに有効な抗生物質による内服治療により改善しますが、なかには再発を繰り返す難治例も存在します。
2013年にvan Noodらが報告した糞便移植療法(FMT)は多くの文献で再発性CDIに対してその有用性が報告されてきました。近年では潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患に対して臨床応用がなされていますが、その有用性に関しては論議が分かれています。
糞便移植療法の糞便処理と投与方法
ドナー便100〜150gと生理食塩水を混和しバッグミキサー(食品や種子等の微生物試験において前処理均質化を行うビニールバッグ用ホモジナイザー)で濾過して得られた約250mLの液体を潰瘍性大腸炎、CDIに対しては大腸内視鏡で盲腸に、クローン病に対してはバルーン内視鏡で上部空腸に散布します。
ドナーは成人で健康な親族や配偶者、または患者本人より直接指定された健康な知人とし、スクリーニング検査(上部消化管内視鏡検査、尿素呼気試験、大腸内視鏡検査、各種感染症血液検査、糞便検査、心理検査)を行います。
FMTは大きな副作用は見られず安全性も比較的高いとされますが、現時点で保険適応はなく、ドナースクリーニングに時間と費用がかかること、適格なドナーが探せないことなどがあります。有効な菌に富んだスーパープロバイオティクスの開発も進められていますが、事前に検査を行って安全性が確認されている第三者の便をストックする糞便バンクの設立も検討されています。
感染症に対するプロバイオティクスの効果
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2017-10-08T17:30:55Z
2017-10-08T17:37:38Z
プロバイオティクス(probiotics)は「十分な量が投与された場合、宿主に健康上の利益をもたらす生きた微生物」と定義されます。
プロバイオティクス(probiotics)は「十分な量が投与された場合、宿主に健康上の利益をもたらす生きた微生物」と定義されます。また、上部消化管で分解されず、腸管内で生体に利益をもたらす自律性微生物の増殖を促進させるプレバイオティクス(prebiotics)とプロバイオティクスを合わせたものをシンバイオティクス(synbiotics)と呼びます。
プロバイオティクスは生体への様々な利益的作用を有していることから、臨床医学への応用が行われ、腸管感染症、炎症性腸疾患、ヘリコバクター・ピロリ感染症、尿路感染症、細菌性膣炎、呼吸器感染症などに対する臨床効果の研究成果が報告されています。
臨床治験をふまえて、プロバイオティクスの有用性が明らかに認められている代表的な腸管感染症に抗菌薬関連下痢症(antibiotic associated diarrhea:AAD)とロタウイルス下痢症があります。
AADの主因は偏性嫌気性グラム陽性桿菌のClostridiun difficileであり、AADの約半数は抗菌薬投与により腸内フローラが攪乱され、引き続き起こるC.difficileの異常増殖とトキシンAおよびBの産生に起因しています。
AADでは、乳酸桿菌(Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus bularicus、Lactobacillus rhamnosus)、腸球菌(Enterococcus faecium)、Clostridium butyricum、Saccharomyces boulardiiなどを用いたプロバイオティクスの経口投与により発生率の低下と下痢持続日数の短縮化が明らかになりました。
また、ロタウイルス感染症に関してはL.rhamnosus GG、Bifidobacterium infantis、L.acidophilus、L.ulgaricus、L.delbrueckii、L.reuteri、Streptococcus thermophilus、Bacillus subtilis、S.boulardiiのプロバイオティクス投与により、ロタウイルス感染症患児の下痢持続日数短縮が示されています。
旅行者下痢症は、enterotoxigenic Eschrichia coli(ETEC)、Campylobacter、Salmonella、shigella、ロタウイルス、ノロウイルス、ランブル鞭毛虫などが原因で多くは軽症で自然治癒しますが、まれに重症化した場合のプロバイオティクスによる治療や予防効果報告もあります。
大腸癌検診で癌が見つかり・・検査結果
tag:www.onaka-sos.com,2016://1.93
2016-05-06T10:09:29Z
2016-05-04T10:11:27Z
便秘や痔、生理でなく2日とも便潜血が陽性だったら、早めに大腸内視鏡検査を受けるべきです。早期に見つかれば内視鏡的切除術で処置することができます。
1週間後、病理診断報告書が届きました。
診断名:Carcinoma in adenoma,SM1,Ly0,v0,HM0.VM0.Rectum(rs).EMR
何の事だかわかりませんよね。要するに、上皮内癌で一部は粘膜筋板をこえて粘膜下層に深達していますが、脈管侵襲は認められません。リンパ節転移はみられないということでした。大きさが小さかったことと早くに見つかったということで、完全に取り除くことができたので安心してください。でも検診は受けてくださいということでした。
ひとまずほっとしました。癌が大きくてポリペクトミーでは取りきれないと判断されたら開腹手術となります。そうなったら色々と大変でした。
便秘や痔、生理でなく2日とも便潜血が陽性だったら、早めに大腸内視鏡検査を受けるべきです。早期に見つかれば内視鏡的切除術で処置することができます。何よりも大腸癌検診は定期的に受けましょう。
※ポリペクトミー
きのこ型の茎をもったポリープに対して用いる方法です。
ポリープの茎にスネアという金属製の輪をかけて,高周波電流を流して茎を焼き切ります。
※内視鏡的粘膜切除術(EMR)EMR:endoscopic mucosal resection
茎をもたない平たい腫瘍に対して用います。
粘膜下層に生理食塩水などを注射して腫瘍を固有筋層から持ち上げてから,ポリペクトミーと同じようにスネアを使って腫瘍を切り取ります。
※内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:endoscopic submucosal dissection
EMRでは一括切除が困難な大きな早期癌に対して用います。現在,2〜5cmの早期癌がESDの保険適用になっています。
粘膜下層に特殊な液を注射して腫瘍を固有筋層から持ち上げてから,電気メスを使って粘膜下層を剥離していき腫瘍を切り取ります。
大腸癌検診で癌が見つかり・・内視鏡検査
tag:www.onaka-sos.com,2016://1.92
2016-05-05T10:06:34Z
2016-05-04T10:09:18Z
検査着に着かえます。お尻の部分に穴の開いた紙パンツとガウンのような検査着です。検査台の上に横向きに膝を抱えるような姿勢になります。
受付を済ませた後、血液検査と出血時間の測定をします。内視鏡検査と同時にポリープ切除術を行うために必要な検査です。
それから検査着に着かえます。お尻の部分に穴の開いた紙パンツとガウンのような検査着です。検査台の上に横向きに膝を抱えるような姿勢になります。先生が登場し、いよいよ検査開始です。肛門にゼリーをサッとぬって内視鏡を挿入していきます。違和感です。“痛かったら言ってくださいね”と言われますが、痛いってどの程度なんだろう?お腹が張った感じはするけど・・。盲腸までぐいぐいと押し入れます(約2mくらい)。大腸には曲がり角が5か所ありますが、その曲がり角にあたると鈍い圧痛があります。
“痛いです”というと姿勢をかえて上向きで足を組む形にします。少し楽になりますが、何回か続きます。盲腸までいくと今度はゆっくりと周りを観察しながら引き返します。ポリープを探しながら内視鏡を引き抜いていきます。目の前のモニターで随時様子を観察できます。ライトが当たった腸内はきれいなピンク〜オレンジ色です。結腸には異常がなく、そろそろフィニッシュ、直腸にさしかかった時に“ありました”の声。モニターにはキノコのようなポリープが見えました。“これからポリープを切除します。痛くありませんからね”といわれ、さらに取れましたの声。終わりかと思ったら“墨でマーカーします”と先生。介助に付いていた看護師さんが腸の膜に空気を入れ中に墨を流し込みました。後で確認するときに必要ですからって・・ひょっとして何か問題ありなのかな・・。
検査が終わり着替えをした後、先生から説明がありました。直腸にポリープがあり悪性の可能性もあるので、大きめに切除しました。といっても5〜7mmくらいですが、病理組織で確認をしますので1週間後に結果を聞きに来てくださいとのこと。ちょっと不安です。
大腸癌検診で癌が見つかり・・
tag:www.onaka-sos.com,2016://1.91
2016-05-04T10:02:49Z
2016-05-04T10:05:39Z
職場の健康診断で大腸癌検診(免疫学的便潜血2日法)で2日とも便潜血が陽性となりました。
職場の健康診断で大腸癌検診(免疫学的便潜血2日法)で2日とも便潜血が陽性となりました。すぐに内科で大腸ファイバー(大腸内視鏡検査)を予約し先日検査をしました。
この大腸内視鏡検査がなかなかの曲者です。
・検査前日
食事は普通にできますが、消化の悪いもの・食物繊維の多いものはNGです。特にキノコ類、豆、海藻、小さな種のある果物、脂肪分の多いものは食べられません。結局食パンと素うどん、コーヒー(ブラック)にしました。
夜9時ころに下剤を飲みます。寝ている間にゆっくりと作用して、翌朝効果がでてきます。朝3回排便しましたが、下痢便ではなく少しゆるいかな程度でした。
・検査当日
朝食は抜きです。そして腸を洗浄する為にニフレック(腸洗浄剤)を2Lの水に溶かして、コップに1杯ずつゆっくりと飲みます。このニフレックが相当まずい!!塩水に目薬と胃薬を溶かしたような味です。3杯目を飲み終えたくらいにお腹が張ってきたなと思ってトイレにいくと、最初は下痢状の便、しばらくして水様便が出てきました。
便の固形成分がなくなり無色かうすい黄色の水のような便がでれば腸の中がきれいになった目安です。ニフレックを飲み始めて1時間くらいでほぼ無色になりました。その間10回以上の排便があり、しかも水様なのであわや・・ということが何回かありました。できるだけ2L飲んでくださいと言われましたが、無理です。私の場合1L飲んだあたりで無色になったので飲むのをやめました。飲むのをやめても3回くらい排便がありました(少量ですが)。それから1時間30分くらい休んでから検査の為病院に行きました。
プロバイオティクスの健康予防効果とは
tag:www.onaka-sos.com,2014://1.90
2014-12-04T15:25:41Z
2014-12-04T15:31:15Z
プロバイオティクスは、「ヒトに健康効果をもたらす生きた微生物」と定義されます。ヒトの正常な腸内常在菌の維持と調節に重要な機能をもっており、さまざまな機能研究がなされています。
腸内常在菌の維持と調節に重要な機能をもっており、さまざまな機能研究がなされています。その主な有用機能には以下のようなものがあります。
・科学的に証明されている健康表示
1)ロタウイルス下痢症改善作用
2)抗生物質誘導下痢症改善作用
3)乳糖不耐症軽減作用
4)乳児食餌性アレルギー症軽減作用
5)整腸作用]]>
アトピー性皮膚炎の発病状況を観察した結果、アトピー性皮膚炎発病率が減少すると報告されています。また、ビフィズス菌BB536入りのヨーグルトを14週間摂取した群では全員、中程度のスギ花粉症症状(くしゃみや鼻水、鼻づまり、鼻のかゆみ、目や喉の自覚症状)が軽減することを認めています。
4)血圧降下作用
5)胃内ピロリ低減作用
本邦では多くの健常成人の胃内にヘリコバクター・ピロリが常在しており、これが胃潰瘍あるいは胃がんへの発展に寄与していることが社会的な問題になっています。Lactobacillus gasseri OLL2716をヘリコバクター・ピロリに感染している健常成人に8週間投与したところヘリコバクター・ピロリの減数ならびに胃粘膜の炎症像が低下していることが認められています。
6)腸内環境改善(整腸)作用
食品成分の整腸作用は、プロバイオティクスによる腸内常在菌の構成を変動させて論じられてきました。プロバイオティクスが有する生理機能について、またその機能に関与する物質および機序について詳細に検討した報告は少ないガ、その中でBifidobacuterium lactis LKM12を含むヨーグルトをヒトに摂取させると、腸管組織の成熟に不可欠な因子であることが知られている糞便中のポリアミン量が有意に増加することが認められています。
7)過敏性大腸炎、クローン病および潰瘍性大腸炎の軽減作用
8)Clostridium difficile下痢症の低減作用
9)食餌性コレステロールの低減作用
10)乳児および児童の呼吸器感染症の抑制効果
11)口腔内感染症の低減作用]]>
ヒラメやマグロの生食で下痢・嘔吐はクドア食中毒?
tag:www.onaka-sos.com,2014://1.89
2014-06-03T15:37:15Z
2014-06-03T15:39:56Z
クドア食中毒は、ヒラメなどの魚の筋肉に寄生する粘液胞子虫クドアによるもので、2000年頃から報告されるようになった新規の食中毒です
クドア食中毒は、ヒラメなどの魚の筋肉に寄生する粘液胞子虫クドアによるもので、2000年頃から報告されるようになった新規の食中毒です。2014年1〜4月、7件のクドア食中毒が発生し、92人が発症したことが報告されており、いずれもヒラメ刺身を食べた後の発症でした。
それまで、ヒラメやマグロなどを生食した数時間後に発症する激しい下痢・嘔吐は、“謎の食中毒”とされていました。症状は一過性で、数時間程度で改善します。死亡例の報告はなく、予後が良好なことも特徴のひとつです。食中毒の原因として一般的なノロウイルスや細菌などの既知の病原物質が同定できなかったため、そう呼ばれていました。
クドアはヒトには無害な魚の寄生虫と考えられており、それが2000年以降に西日本を中心に生じるようになった“謎の食中毒”の原因として、2010年に同定されました(クドアの一種:Kudoa septempunctata)。症状が一過性であることから、クドア胞子が長期間人体にとどまる可能性は低いとも考えられています。
以前からクドアは魚の寄生虫として知られていましたが、人体に害を生じることはなく、そのため毒性のある新種が、ヒラメの養殖場を中心に広まり、食中毒の原因となったと考えられています。
クドアは、マイナス15〜20℃で4時間以上保管、もしくは中心温度が75℃となるように5分以上加熱することで失活します。ただし、ヒラメの刺身は冷凍すると味が落ち商品価値がなくなるため、冷凍による食中毒予防は困難といえます。
クドアが食中毒の原因であることが明らかになったことを受け、厚生労働省が2011年6月、クドアを原因とする嘔吐・下痢症を食中毒として取り上げるよう通知、同年10月には、輸入ヒラメの検疫を強化することも求められました。水産庁も、国内のヒラメ養殖場・種苗生産施設に対して、クドア食中毒防止の対策を呼び掛け2013年からは、食品衛生法による食中毒原因物質として「寄生虫−クドア」として報告されることになり、実数の把握が容易になっています。
ウイルス性胃腸炎 アイチウイルス
tag:www.onaka-sos.com,2014://1.87
2014-04-29T16:35:00Z
2014-04-29T16:37:59Z
アイチウイルスは、1989年に愛知県衛生研究所でカキ(牡蠣)が原因と推定された胃腸炎の集団発生事例から発見された、直径30nmのエンベロープのないプラス鎖1本鎖RNAウイルスです。
アイチウイルス は、1989年に愛知県衛生研究所でカキ(牡蠣)が原因と推定された胃腸炎の集団発生事例から発見された、直径30nmのエンベロープのないプラス鎖1本鎖RNAウイルスです。ピコルナウイルス科の新しい属であるコブウイルス属(コブは日本語で、粒子表面がごつごつしていることに由来)に属します。日本での検出頻度は高くありませんが、アジアの発展途上国の小児の下痢便から検出されることがあり、胃腸炎を起こすウイルスであると考えられています。
血清型は1つでA、B型2種類の遺伝子型に分類されますが、2008年にC型の存在が報告されました。また、下水中にはA、B、Cいずれの型にも属さない独立した遺伝子が検出されており、血清型の異なるウイルスの存在が予測されています。コブウイルス属には、他にウシ由来のウシコブウイルス種があります。
アイチウイルスが分離され、ペア血清が得られた6事例の食中毒においては、患者56名中24名に有意な抗体上昇が認められています。抗体応答のあった24名の症状は、吐き気が91.7%、腹痛が83.3%、嘔吐が70.8%、下痢および発熱が各々58.3%でした。回復期血清中のIgM抗体が陽性で初感染と考えられた7名は全員が腹痛・吐き気・発熱を訴え、6名が嘔吐をしていました。アイチウイルスの年齢別抗体保有率は、4歳以下で7.2%と低いが、5〜9歳で17.8%、10〜14歳で31.9%と加齢とともに上昇し、30歳で約80%となります。サル、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコからはアイチウイルス抗体は検出されていません。下水処理場に流入する下水からは調査を行った全ての年に年間を通じて検出されており、わが国においてもヒトの間で常に感染が繰り返されていると推測されています。
便の観察で疾患・病態が予測できる?
tag:www.onaka-sos.com,2014://1.86
2014-01-06T17:01:19Z
2014-01-06T17:17:38Z
便は消化吸収できなかった食物残渣や消化管の細胞・腸内細菌などで構成されていて、消化・吸収・腸の蠕動運動により、様々な形状を示します。
便は消化吸収できなかった食物残渣や消化管の細胞・腸内細菌などで構成されていて、消化・吸収・腸の蠕動運動により、様々な形状を示します。
色はステルコビリンで黄褐色を呈しますが、疾患によって白色や黒色となります。また血液や粘液が混入するため性状を観察することは重要です。
便の異常所見は血便と下痢・水様便に分けることができます。
カンピロバクターや赤痢・サルモネラ・腸炎ビブリオなど細菌性の腸炎と赤痢アメーバ症を疑う。カンピロバクターやサルモネラは鶏肉などの生食、腸炎ビブリオは夏場の魚介類の生食によることが多い。
3)タール便:胃や十二指腸など上部消化管からの出血を示唆し、大量出血では黒色便となる。
4)血液付着便:下部消化管である大腸からの出血を示唆。直腸や結腸からの出血は、便が形成された後に付着する。血液付着便は大腸がんや潰瘍性大腸炎の他に痔でもみられる。
・下痢、水様便
1)軟便・泥状便:消化管の通過時間が短いため消化不良を起こす。海外渡航歴や食習慣によっては細菌性感染症や寄生虫症を疑う。
2)白色便:閉塞性黄疸を呈する疾患では、便中にビリルビンの還元生成物であるステルコビリンが存在しないため、便の色は白色を呈する。胃X線造影検査後のバリウム便も白色を呈する。
3)脂肪性水様便:黄白色で水様性や泥状を呈する。上腹部痛がみられる場合は、ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)を疑う。
4)白色水様便:水様便(米のとぎ汁様)と嘔吐を伴う場合は、コレラ菌やロタウイルスによる感染性腸炎を疑う。クリプトスポリジウムによる原虫症も、急性期は同様の症状を呈する。
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