下痢を伴う疾患 ペラグラ ナイアシン欠乏症

ペラグラ(Pellagra)は、ナイアシン欠乏による代謝内分泌疾患の一つです。ペラグラは、ナイアシン不足に加えて日光に当たることによって発症します。

下痢を伴う疾患 ペラグラ ナイアシン欠乏症

ペラグラ(Pellagra)は、ナイアシン欠乏による代謝内分泌疾患の一つです。
ナイアシン (Niacin) は、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で、ビタミンB3 ともいいます。水溶性ビタミンのビタミンB複合体の一つで熱に強く、糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠です。循環系、消化系、神経系の働きを促進するなどの働きがあり、欠乏すると皮膚炎、口内炎、神経炎や下痢などの症状を生じます。エネルギー代謝中の酸化還元酵素の補酵素として重要です。

また、ナイアシンは生体内において、必須アミノ酸であるトリプトファンから生合成されます。ヒトの場合は、さらに腸内常在細菌がトリプトファンからのナイアシン合成を行っているため、通常の食生活を送る上では欠乏症に陥ることは多くありません。トウモロコシを主食とする場合にトウモロコシはトリプトファン含量が少ないため、ナイアシンとトリプトファンがともに欠乏し、ペラグラなどの欠乏症状を呈する場合があります。
ペラグラは、ナイアシン不足に加えて日光に当たることによって発症します。まず光線過敏症が生じ、顔に左右対称の赤い発疹が出ます。その後、消化管全体が侵されて吐き気、嘔吐、便秘、下痢などの症状が出て、舌と口に口内炎が生じます(喉や食道にも炎症が起こる)。
その後、疲労、不眠、無感情を経て、脳の機能不全(脳症)による錯乱、見当識の喪失、幻覚、記憶喪失などが起こり、最悪の場合死に至る場合もあります。

治療としては、ニコチン酸アミド及びビタミンB群を経口摂取します。

※Pellagra:イタリア語で「皮膚の痛み」という意味。

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