家族性大腸腺腫症 家族性腺腫性ポリポーシス FAP

大腸に数百個に及ぶ腺腫性ポリープが発生し、放置すれば非常に高い頻度で癌化する常染色体優性の遺伝性疾患です。

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家族性大腸腺腫症 家族性腺腫性ポリポーシス FAP

家族性腺腫性ポリポーシス(familial adenomatous polyposis: FAP)は、大腸に数百個に及ぶ腺腫性ポリープが発生し、放置すれば非常に高い頻度で癌化する常染色体優性の遺伝性疾患です。FAP患者のおよそ90%以上に、5番染色体長腕に座位するAPC(adenomatous polyposis coli)遺伝子の変異が認められます。
発症は平均16歳(7〜36歳)であり、35歳までには95%のFAP保因者にポリープが生じます。大腸切除術を行わない限り、大腸がんの発症は避けがたく、未治療の場合がん発症の平均年齢は39歳(34〜43歳)です。大腸以外の病変はさまざまで、胃底部や十二指腸のポリープ、骨腫、歯牙異常、網膜色素上皮の先天性肥大、軟部組織腫瘍、デスモイド腫瘍、そしてこれらに関連するがんなどが含まれます。
顎骨に発生する骨腫は消化管ポリポーシスの中でもFAPに特異的なものです。

診断
注腸造影大腸内視鏡検査で診断し、生検によって確定します。またX線検査によってその他の症状がないか検査します。APC遺伝子解析はリスクをもつ患者家族の早期診断や、臨床所見のはっきりしない患者(腺腫性ポリープが100個未満)の確定診断の目的で行われます。
遺伝疾患であることから、家族にFAPの患者がいる場合は早期に検査をすることが望ましい。
治療
大腸癌が発生するのを予防するため、基本的に大腸粘膜を全摘します。通常は全結腸と直腸粘膜を切除し、回腸嚢肛門吻合を行いますが、下部直腸や肛門管に癌が存在した場合は直腸も全摘します。手術は癌発生がまれな20歳以前に行います。

関連疾患
ガードナー症候群(Gardner's syndrome)
FAPに頭蓋骨や長管骨の骨腫や軟部組織の腫瘍が合併したもの。原因遺伝子はFAPと同じくAPC遺伝子です。治療法はFAPに同じ。
ターコット症候群(Turcot's syndrome)
ポリポーシスに中枢神経系腫瘍が合併するもので、FAPと比較して大腸の腺腫は少ないが、悪性化は若年で起こりやすいとされています。常染色体劣性遺伝であり、原因遺伝子は不明です。治療法は大腸全摘で予後は脳腫瘍に左右されます。

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