下痢の主な症状は便が非常に柔らかくなることですが、それ以外にも次のような症状があります。
・腹痛
・脱水症状
・虚血
・悪心・嘔吐
・食欲減退
・疲労や体力消耗
なかでも大腸での水分吸収が行われない為に生じる脱水症状は危険です。脱水は、血液(細胞外液)の電解質組成によって以下のように分類されます。
1)低張性脱水
・下痢・嘔吐などにより水分の喪失以上に電解質の喪失が著しい状態で、血漿中の電解質濃度および血漿浸透圧の低下を伴う。
・発熱や口渇感を伴いにくく、皮膚・粘膜の乾燥も少ない。
・全身倦怠感や眠気がみられ、手足は冷たく脈拍が弱くなる。
・主に細胞外液(循環血液量)の減少による症状である。
・血清ナトリウム濃度140mEq/l以下、血清塩素濃度110mEq/l以下が目安となる。
2)等張性脱水
・等張液の喪失による脱水。
・ネフローゼなど。
3)高張性脱水
・発汗の亢進、水分摂取の極端な低下などにより、水分が不足した状態。
・発熱と著しい口渇感を伴い、口腔などの粘膜が乾燥する。
・意識は保たれるが不隠・興奮の状態となる。
・手足は冷たくならず、脈拍もしっかりと触れる。
・血清ナトリウム濃度150mEq/l以上、血清塩素濃度110mEq/l以上が目安となる。
・糖尿病などでみられる。
脱水症の治療
軽症であり経口摂取が可能な全身状態であれば、電解質を含んだ水分を経口で摂取させます。ただし、スポーツドリンクは、ナトリウム濃度が低いため、特に乳幼児の脱水時にこれを与えると、低ナトリウム血症から水中毒を惹起する危険性があるので、経口補水用の食品(経口補水塩)を使用します。
脱水が重度の場合や、全身状態が悪く経口摂取ができない場合、電解質異常が著しく厳密なコントロールが必要な場合には輸液を行います。特に重度の脱水や電解質異常が見られる場合、急激に補正を行うと脳浮腫・心不全・肺水腫や重篤な中枢神経合併症が起こる危険があるため、2〜3日をかけて慎重に補正しなければなりません。
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